
武家屋敷跡野村家は加賀藩祖の前田利家の直臣野村伝兵衛信貞の屋敷跡です。庭園の美しさで国内外から人気。武家屋敷跡界隈で唯一内部の見学ができます。ミシュラングリーンガイド2つ星を獲得した優美な庭園や豪邸をご紹介します。
目次
武家屋敷跡野村家の歴史
武家屋敷跡野村家は加賀藩士である野村伝兵衛信貞の屋敷跡です。野村伝兵衛信貞は加賀藩祖前田利家の直臣。由緒正しい名家です。約3,000平方メートルの屋敷は武家制度の解体で分割されました。現在は古木、曲水の庭園の一部が残っています。昭和初期(1926年~)豪邸の一部が豪商の館から移築。
武家屋敷跡野村家の見どころ
美しい庭園、贅を凝らした造りの上段の間や茶室など見どころがたくさんあります。

目を見張る豪邸
武家屋敷跡野村家は書院造りの建物です。上段の間などは総檜づくりの贅を尽くした部屋。山水画が描かれた襖、ギアマンがはめ込まれた障子戸など。

入り口を入って左側に受付があります。入場料金(550円)を支払い。今回「文化の森おでかけパス」を利用。野村伝兵衛信貞の甲冑が展示してあります。1584年能登末森白の戦いで野村伝兵衛信貞が実際に着用した甲冑です。

贅を尽くした部屋
書院造りの建物の廊下から控えの間に入り右が奥の間です。掛け軸がある床の間や障子など落ち着きますね。掛け軸は前田家15代目当主利嗣公の書。床脇の扉はなんと金♪ 豪華!

控えの間の左が謁見の間。控えの間のショーケースにはさまざまな形をした釘隠しなどが展示してあります。

謁見の間の山水画が描かれた襖。加賀藩のお抱え絵師である狩野派の佐々木泉景の作品です。見事ですね♪

奥の間、控の間、謁見の間の奥が佛間です。漆と金箔の立派な造りの仏壇。左に折れ屏風、右側に版画の掛け軸があります。

藩主を招いた上段の間です。高級木材の紫檀や黒檀を使用した格天井の総檜づくり。庭に面した障子戸にギアマン(ガラス)がはめ込まれ贅沢な造りになっています。襖の引手は鉄刀木(タガサン)の細工彫り。

立派な床の間は床框、違い棚など精密な細工。扉はもちろん金♪ 掛け軸は前田家13代斉泰公と14代慶寧公の書。 釘隠しは 貴重な黒柿材を使った透かし彫刻になっています。

ミシュラングリーンガイド2つ星を獲得した風情ある庭
武家屋敷跡野村家の優雅な庭はミシュラングリーンガイド2つ星を獲得。アメリカの庭園専門誌で日本庭園ランキング3位に選べれています。小規模ながら池、灯籠、古木や橋など緻密な構図が息を呑むほど美しい♪

約300平方メートルの庭は濡れ縁に座ったまま楽しめます。13基の灯籠。最も大きいのは6尺(約1.8メートル)の大雪見灯籠です。桜御影石の大架け橋は2メートル。 さまざまな木や橋がたくみに配置されています。

武家屋敷跡野村家の庭の最大の特徴は濡れ縁にせまる曲水と落水。落差約2メートルの落水。 お庭の木は樹齢400年の山桃の木や椎の木など古木。

赤や黄色の錦鯉が優雅に泳いでいます。厳かなお庭♪ 濡れ縁からお庭を眺めていると気分が落ち着きます。
趣ある茶室「不獏庵」
上段の間の横の濡れ縁を通り茶室へ。手水鉢で手を洗い身も心も清めます。

石段通路を登ります。形が違う大きな石。風情がありますね。

左が控えの間。床の間は座敷と同じ高さの踏み込み床です。床板は紅葉の千年樹。素朴な造りですね。

控えの間から見た庭。山桃の木など立派な木々が見えます。

小さな躙り口から茶室に入ります。4畳半の茶室から眺める庭は素晴らしい♪ 茶室ではお庭を眺めながら抹茶と千菓子(300円)が楽しめます。

階段を下りると小さな中庭が見えます。苔むした中庭。

野村家伝来の刀など展示|鬼川文庫
佛間から廊下を通ると展示資料館「鬼川文庫」があります。明智光秀の書状や野村家伝来の刀剣などが展示。

九谷焼の大鉢「久谷庄三赤絵大鉢」です。

武家屋敷跡野村家の基本情報
名称 | 武家屋敷跡野村家 |
住所 | 石川県金沢市長町1丁目3-32 |
営業時間 | 8:30~17:30(4~9月) 8:30~16:30(10~3月) |
休館日 | 12月26・27日 1月1・2日 |
入館料 | 大人550円 高校生400円 小学生250円 |
公式HP | 武家屋敷跡野村家HP |
アクセス | Google map |
武家屋敷跡野村家への行き方
金沢周遊バスもしくは路線バスで香林坊下車。歩いて6分。
武家屋敷跡野村家見学の所要時間
見学の所要時間はゆっくり回って約1時間。予約不要。朝早い時間が人が少なくおすすめです。武家屋敷跡野村家を見学の後は長町武家屋敷群を見て回りましょう!
ノスタルジックな長町武家屋敷群

長町武家屋敷群は江戸時代(1603年~1868年)の街並みが残っているエリアです。ノスタルジックな武家屋敷の通り。

土塀に沿って流れるのは大野庄用水。武家屋敷跡野村家の曲水の水は大野庄用水から水を引き入れています。

昔ながらの土塀や石畳が残っています。

冬になると土塀を雪や凍結から守るために「こも掛け」が行われます。冬にまた訪ずれたいですね。
大屋家 大屋家
大屋家は平士級の武家屋敷の遺構。武家屋敷の建築として唯一残っているものです。
鏑木商舗のお庭 鏑木商舗
久谷焼壷元である鏑木商舗の金沢久谷ミュージアムとカフェです。カフェでは金沢のおばんざいが九谷焼の器で味わえます。
武家屋敷跡野村家まとめ
武家屋敷跡野村家は長町武家屋敷跡群に位置しています。ミシュラングリーンガイド2つ星の庭や贅沢を尽くした部屋など是非訪れることをおすすめします。
カテゴリ:日本の旅文化